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久々に地元での講演会でした。

講師として呼んでいただけるのはとても光栄ですが、毎回苦慮することがあります。
それは、与えられた時間の短さです。


集まりの時間自体が大体2時間程度なので、その中で私が防犯の話をすることが出来るのは多くて1時間半、短いと45分。
その中で、一体どこまで伝えられるんだろうかと、毎回悩みます。

というのは、私が犯罪予防のために必要と考える項目は最低でも3つあり、それぞれ一冊の本が書けてしまうほどの奥深い内容。

○犯罪機会論を理解する
○性犯罪予防のための、性の正しい知識
○3つの言葉掛けによる予防と心のケア

これに、それぞれ枝葉となる要素が加わります。

●子どもの権利について
●ジェンダーについて
●男の子を被害者にも加害者にもしないために
●自己肯定感を上げるために
●家庭支援
などなど…

ですが、正直1時間半では、枝葉の部分まで満足に扱うことはできません。
実際、上のどれについても専門分野の方が本を書いておられますからね……
ものすごく深くて広い内容を、一気に駆け抜けるような感じになってしまうのです。

「全部必要だから、全部しゃべる!!」と
意気込みだけは満々ですが、大抵話し切らない………
私はかなり早口の方だと思いますが、トイレ休憩無しのノンストップでも45分は厳しい…
さらっと扱ったところに限って、「よく分からなかった」とか「違うと思う」などのご指摘をいただく。
ああ、もうちょっと時間があれば、網羅出来たのに!!と悔しがってもあとの祭り。

ことに、私は自分の被害体験から防犯の講師を始めたので、
どうしても被害者=女性、加害者=男性、という思いが頭から離れず、
男性も被害を受けるし、加害者が女性である場合もある、ということをお伝えしないままになってしまうことがあります。
女性の性犯罪被害が圧倒的に多いのは確かですが、少数派の被害を無視していいわけはありせん。
本当は、連続講座のような形でじっくり扱うことが出来ればいいのですが、なかなかそうもいきません。


ことに、性犯罪についての項目が難しい。
個人個人で性についての認識や好みも違うため、
性犯罪予防について善かれと思って何かをお勧めしても、それはちがう、と感じる方もいらっしゃいます。

親が、異性の子どもと一緒にお風呂に入って良いのは、何歳まで?という質問に関してなどが典型でしょうか。

私は、例えば女の子がお父さんと一緒に男湯に入ることは基本的に肯定出来ません。うちには娘はいませんが、もしも娘がいたら男湯には行かせません。

(私は、ですよ!個人的意見であることを強調しておきます)

それは、私自身が性の意味も分からない幼い頃に、性犯罪被害に遭っているからです。
加えて、性的娯楽作品の多くに、幼い女の子に対する性犯罪がモチーフとして使われている事実があること。また、視姦という言葉もあるくらいですから、不特定多数の男性が入浴している公衆浴場に女児を連れて入るのは、かなり(私にとっては)無茶だと思えます。

ですが、中にはその意見に対して気分を害され、
「私は大丈夫でした、お父さんと中学生までお風呂に入っていました。お父さんを変な目で見るようなことを言わないで」と仰る方もおられるわけです。(※一例です。実際にこの質問が出たのは講演会会場ではありません)

いえいえ、講師としてお伝えしたいのは、お風呂という場所が「見えにくい」という事実だけ。ただし、
個人としての私は、どんなに「大丈夫、危険はない」と諭されても、実体験から「無理です」と申し上げるしかありませんし、私と同じ思いをしてしまう子を増やしたくはありません。

私のように、幼児体験に偏ったものを持っているなんて、講師としては失格ではないか?と思うこともあります……
ですが、犯罪被害当事者として、二度と同じ被害者を作らないために、こんな事実があるということを話さないわけにはいかないのです。




私が尽力している「性犯罪被害防止」には、本当に微妙な問題が多く含まれます。
「性」はごく個人的な問題でもあるため、性犯罪被害防止については「話さない」=意図的に外している講師の方も多いです。

ですが、個人的な問題だからこそ、「性」の意味も分からないうちに被害に遭う(かもしれない)子どもたちに対して、何もせずにはいられない。防犯から子どもの性犯罪被害対策を除外して、知らん顔するわけにはいかないのです。




短い時間の中で、どれだけのものが伝えられるのか…

日々、試行錯誤です。



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プロフィール

内野 真 (うちの まこと)

Author:内野 真 (うちの まこと)
****************


私は、いつも探していました。
「性犯罪」の被害から、
子どもを未然に守るための方法を。

でも、苦労して探しても、なかなか無いんです。

例えば、本。

「性犯罪被害」を防ぐために何が有効なのか?
「犯罪」 「防犯」 「防止」 「方法」 など、キーワードを色々変えて検索するのですが、行き着く所は何か違うものばかり。

大概、2つに分かれます。


内容的にきちんとした本だと、学術書や体験談、
「性犯罪被害を乗り越える」という内容のものに行き着きます。

でも、それは、勇気ある告白本だったりして、読むにも覚悟がいるものが多いのです。
被害に遭ってしまうとこれほどまでに大変なのか、と凹んでしまったり。
被害の現状を放置したままの社会に、怒りを覚えることもあります。
明日は我が身。そう考えれば気持ちは引き締まる。

でも、被害を未然に防ぐためには?……と考えると、そのことは書かれていません。


「性犯罪」「被害」「防止」で行き着くもうひとつの端は、
「性犯罪をエンターテイメントとして描いたもの」。
つまりアダルト作品。
これはお話しになりません… 

アダルト作品は、性犯罪の加害や被害を、娯楽のモチーフとして扱います。
被害の防止とは、正反対の内容です。

うーん……。
これは、どう言うことなんでしょうか。



子どもに加えられる「犯罪」には、以下の3つのタイプがあります。

1. 殺害や、痛めつけることを目的としたもの
2. わいせつ・強姦などが目的のもの
3. わいせつ・強姦までは行かないが、身体的接触(手を握ったり膝に乗せたりするなど)や、ドライブなどで満足するもの(ただしこれは、子どもが騒いだり嫌がったり逆らったりすることが原因で犯人を逆上させてしまい、その結果、殺害等に結びつく場合がある)

一番多く発生しているのは、3番です。

2番・3番の「わいせつ・強姦など」つまり性犯罪は、子どもに降り掛かる加害行為の中でも、大多数を占める、といえます。

幼い子どもは「性」の意味も、自分に備わっている性器の役割も、世の中に氾濫する「性に対する見方」も、その意味も、何も知りません。
それをいいことに不当にその性を蹂躙する、搾取する。
それが、性犯罪。
強姦がなくても、立件出来ないような行為だけでも、子どもの心には深い傷が残ります。

想像力のない人たちは「性的いたずら」という言葉を使いますが、被害当事者から見れば、なにが「いたずら」なものですか。

成長してから、されたことの意味を悟り、幾重にも傷つくことからこの被害は「時限爆弾」「魂の殺人」とも言われるのです。


どうにかして、性的被害から子どもたちを守りたい。
それも、未然に、です。

性的に嫌な思いをさせることも、可能な限り防ぎたい。
幼い頃の、幸せな思い出の中に、そんな記憶はいりません。

ずっと忘れていたけど、そういえば…小さい頃、こんなひどいことがあった。こんな嫌な思いをした。…そういう記憶を持つ女性が、どれだけ多いか、知っていますか?
それが、どれだけの人を精神的に苦しめているか、知っていますか?


「性」を守ることは、「人」そのものを守ること。

我が子の命を守ること、と同義です。

我が子のために、食べ物について学ぶ事と同じ。
学問を身につけるのとも同じです。
お子さんの身体、心を守る方法を知ることは、
「食育」や「知育」と同列、「子育て」そのものでもあります。


いわば「守り育て」。


性犯罪から心と身体を守りつつ育てること。


それを、私はこう呼ぶことにしました。
「守育(しゅいく)」。

「知育」
「食育」
「守育」
ほら、命を守るために、どれも必要なものでしょう?

その方法を、一緒に模索していきましょう。<内野  真>



******************

◆1965年生まれ。埼玉県さいたま市在住。立正大学文学部社会学科小宮信夫教授に師事。
3人の息子を育てつつ、脳動静脈奇形部破裂のため脳障害・認知症を患う実母を介護しています

◆子どもの安全対策コーディネーター/NPO法人地域安全マップ協会理事長/イラストレーター及びライター、声優としても活動歴有り
◆さいたまNPOセンター主催「子どもの防犯力アップ出前教室」インストラクター養成講座講師
◆防犯・防災のラジオ番組「魔法の言葉」配信中(リンク参照)
◆「景色を読み解く」カンタン講習会 講師(下校時安全パトロールの時間を利用した1時間程度の町歩き防犯指導)※当ブログの2014年11月26日の記事参照。<随時申し込み受付中です>


◇出 版 物

<著書>

◆「子どもを犯罪から守る 犯罪被害当事者による子どもを被害者にも加害者にもさせない方法」/明石書店  
◆「いかのおすし」絵本(制作・監修) /防犯用品(株)コンツナ 
http://ikanoosushi.com/new1.html←コチラから動画でご覧になれます 

<共著>

◆「地震からわが子を守る防災の本」国崎信江著/内野真・漫画/リベルタ出版 
◆「我が家の防災対策」作/国崎信江、挿絵・コメント/内野真  信濃毎日新聞  2001〜2002年
◆「まんが 防犯・防災・協力店マニュアル」埼玉県石油業協同組合発行/大倉優原作/内野真・作画 
◆「安全はこうして守る 〜現場で本当に役立つ防犯の話〜」小宮信夫編著/内野真(ファイル21寄稿・本文挿絵・表紙画)/株式会社 ぎょうせい 
◆「子どもたちの叫び 〜児童虐待・アスペルガー障害の現実〜」内野真・尾崎ミオ著/NTT出版 など

<教材>

◆「じしんがきても まけないよ!」地震紙芝居/原案・国崎信江/画・内野真/学研 
◆「子どもの安全カルタ」NPO法人子育てサポーター・チャオ編/東京法規出版(防犯・防災・事故予防の入門編カルタ。監修/小宮信夫、子どもの事故予防情報センター牧田栄子、作画・編集/内野真)
◆「子どもの防犯力アップ出前教室」フリップ(イラスト・監修) など


◇講演会実績等

2005年
東京成徳短大高等部幼児科講話
越谷市赤ちゃん連れ遊び場マップ作製指導

2006年
埼玉県児童館活動活性化モデル事業 
 子どもの安全対策サロン講師
埼玉県宮代町子ども会・自治会主催
 地域安全マップ作製指導協力
婦人公論4/7号 
 子どものための防犯特集記事寄稿
埼玉県越谷市北越谷公民館講演会
千葉市高州保健センタ—保健師研修会 講話
子どもの安全に関するアンケート解説書作成
 (NPO法人子育てサポータ—・チャオ編)

2007年
越谷市南越谷公民館
地域安全マップ作製指導協力
豊島区子ども家庭部子ども課 
 保育士研修 講演会
越谷市花田小学校5学年 学年活動 講演会
神奈川県相武台総合学習センター講演会   
神奈川県警察学校連絡協議会 講習会講師
 少年のみちびき 寄稿文
広島県安心安全アカデミー 講演会
さいたま市仲町小学校 講演会

2008年
練馬区ほうや幼稚園 講演会
愛知県刈谷市 CAPNA主催講演会講師
千葉県市町村アカデミー 講習会講師
越谷NPOセンター主催 講演会
練馬区立大泉第六小学校 講演会

2009年 
練馬区立八坂小学校 講演会
練馬区教育委員会委託
子ども安全安心学習講座 講師
練馬区立関町小学校 講演会
越谷市中央市民会館 講演会
越谷市大沢公民館 講演会 
練馬区立大泉第三小学校 講演会
練馬区立富士見台小学校 講演会

2013年
【内野真生の魔法の言葉】
 ラジオパーソナリティー 
地震だ!だんだんだんごむし!
  DVD(kirakira作製)/声の出演
さいたまNPOセンター 
 子どもの防犯力アップ出前教室
 インストラクター養成講座講師 

2015年
松戸市立常磐平第二小学校家庭教育学級講演会
NPO法人ながれやま子育てコミュニティなこっこ主催防犯講演会
など多数




<講演会・執筆等のご依頼について>

◆随時受け付けておりますが、必ず当ブログ記事をお読みになった上でお願いいたします。
◆ご依頼方法
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